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楽園からの脱出

七色仮面団第1回公演 1990年

10月13・14日  ART GRAUNDエウロス
【演出】息吹肇
【CAST】

  • 小野寺冬児:菊田哲郎
  • ウェンディ:山田美香
  • ピーターパン:岡田真弓
  • デビルマン:渡辺明男
  • サタン:柿沼直樹

コメント

これが息吹の2度目のチャレンジ・七色仮面団の旗揚げ公演。劇団名は、旗揚げメンバーの菊田・渡辺・息吹が地元のマックでのミーティングで、殆ど思いつきで決めたものである。なお、一部の人間しか知らない正式名称は「ヨロレイティシアター・七色仮面団(略称ヨロカメ)」である。特に意味はないが、この力の抜け具合が、当時の僕たちの気分をよく表している。このときのメンバーは、出身高校のOBで「ガラスの靴…」の出演者より一つ下の世代が主力である。
 例によって台本は遅れたものの、少人数だったこともあって比較的充実した稽古ができた。稽古が煮詰まってピーターパンが泣いてしまったこともある。芝居の完成度としてはまずまずのレベルだった。ずっとやりたかった作品だったが、何分にも人手、金、技術三拍子揃って無しという状態だったため、初稿を書いた当初の脚本のイメージとは程遠いものにならざるを得なかった。間口も狭くタッパもない劇場で、ビールケースで作った台2個だけで世界の終わりを表現するという「ああ小劇場」という舞台だった。また、当時の小劇場のトレンドである目まぐるしくシーンが変わるという構成がしっかりと反映された脚本のため、冬児とサタン以外は複数回の衣装替えがあって、狭い楽屋は大騒ぎだった。
 「劇団」とはいいつつもやはりしっかりした組織は作れず、音響のオペレーターを劇場入りしてから漸く捕まえたりそていた。公演の成立は結構綱渡り的だったが、お客さんの反応は思ったよりもよくて、力付けられたものである。