Favorite Banana Indians

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朗読女子会

朗読女子会

朗読女子会
朗読女子会ウラ面

2020年2月23日・24日 Big Bang Box
プロデューサー;大和息吹(BFE.LCC)
演出;息吹肇

「Noisy Gallery〜絵は口ほどに〜」

國田あかり(琥神)
関口杏珠(Attractive Performance )
鈴木淑心

「水が描いた絵」

相沢実奈(スリートゥリー)
佐々木はるか
知花しほ
中林茉美

2019年7月の第13回公演の出演者の1人が、主催するイベントをBig Bang Boxで定期的に行っており、その縁でこの場所を知った。当初はリトル堂さんも絡んで、Favorite Banana Indiansの朗読イベントを定期的に行うという話であったが、諸般の事情により、FBI単独で関わることになった。「FBIとして」というよりは、大和さんの主催するイベントに息吹肇が作・演出で参加するという形態である。このため、出演者は全て大和さんの関係者であり、初めて僕の芝居に出演する人達ばかりとなった。

話が決まってから本番まで期間はある程度あったが、「上演時間30分・女優のみの作品」というコンセプトに合う脚本を2本仕上げる時間的余裕がなかったため、1本は人気作品の「Noisy…」に落ち着いた。僕が関わって上演するのは3度目である。もう1本は新作をというので、どうせなら「Noisy…」で使用する絵をそのまま使って、まったく違うテイストの物語を上演する方が面白いと考え、「水…」が生まれた。形態は朗読劇ではあるが、脚本はどちらも舞台で普通に上演してもおかしくない、というか、むしろそちらに適したものになった。Big Bang Boxのステージは狭く、あまり動き回れるスペースはなかったが、結果的には本を持って動く「演劇スタイル」の作品となった。
稽古は、基本はBig Bang Boxで行い、早い段階から明かりを入れた稽古ができたことはよかった。しかし、キャストがなかなか揃わず、今回も直前の連続稽古で詰める形になった。出演者中茉美さんは現役女子大生で、舞台の経験も朗読の経験もなかったため最後まで苦しんだが、大和さんの「特別指導」もあって、何とか本番には間に合ったと思う。
また、稽古の終盤に「Noisy…」チームから「本を離したい」という要望が出た。本を離す=普通の芝居であるが、劇中の有紀役の一人語りの部分のみ本を持ってやるという折衷案に落ち着いた。もう一方の「水…」は、基本は本を持った状態での座り芝居だったが、ラストシーンはスモークは出るわ照明は激しく変わるはと、普通の芝居のラストといってもおかしくない作りになった。

お客様も思った以上に入っていただき(withコロナの時代なら完全に「3密」として禁止されるような状態)、評判もまずまずだった。ただ、やはり純然たる朗読劇スタイルの方が好きだという方も一定数いたようである。一口に「朗読」といっても様々なやり方があるので、そこは好みの問題でもあるだろう。これをやってみて、僕自身はやはり芝居に寄った作り方が好きなのだなとあらためて分かった。

なお、当日の受付および音響・照明のオペは大和さんが一人で務めた(ワニズホールの公演などはこの方式である。ワニズの場合、受付は別の人だが)。小柄だがパワフルな人であった。
 この「朗読女子会」(同名のイベントが他にもあるのを後で知った)は、初回を見てシリーズ化するかどうか考えようということになっていたのだが、その直後にコロナ騒ぎになり、大和さんも今回限りという意向だったので、企画は宙に浮いたままとなっている。