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癒されない女

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癒されない女

Cradle CAFE公演 2004年2月28日 高円寺CAFE

【 ストーリー 】
あるOLは「癒し系ロボット」を購入し、自分の部屋でルームメイトのように暮らす。ある時、あまりにも辛かったので愚痴を連発していると、ロボットの「究極の癒し」プログラムが作動して、彼女はロボットに絞殺されてしまう。

演出:柊子

《 CAST 》
■ トモカ : 柊子
■ ミカ : ゆうきみわ
■ 女 : 今泉いつか
■ ニュース(声): 息吹肇

コメント

 FBI第3回公演「レコンキスタ」に出演したCradleの主宰・柊子さんが、自身の集団の好評企画の‘CAFE公演’での上演台本として、「レコンキスタ」第2景を単独で上演させてくれないかと、「レコンキスタ」公演終了直後に依頼してきて実現したものである。彼女自身は第2景には全く出演していなかったものの、話自体をとても気に入ってくれて、自分で上演したいと思ってくれたらしい。作家としてはこれ程嬉しいことはないので、二つ返事で了承した。

 CAFE公演用に全体を若干コンパクトにし、FBIバージョンでは最後に登場する警官をロボット会社の社員に置き換えるなどの手直しが行われている。

 キャスト・スタッフ・上演スペースが変われば、同じ脚本でも印象は違って見えるものである。実際どんな感じになるのかこの目で確かめたかったのだが、あいにく自分が客演している劇団の本番と日程が全く重なってしまい、稽古、本番とも全く見られずじまいだった。

 お客さんの反応はまずまず、そして見に行った人からも、FBI公演の時よりさらに狭いスペースでの上演はかえって見やすくなっていたとか、話を知っていて見ても面白かったなど、概ねいい反応が返ってきたので、まずは成功といっていいだろう。

 柊子さんの演出には「成る程、そうしたか」と思わせるものがあったそうだし、彼女のトモカの造形も気になるところだ。ビデオに収録したそうなので、是非チェックしてみたい。

 因みに、これも柊子さんからの依頼だったが、最後に流れるニュースの声は僕が担当した。録音時に一発でOKをもらっただけあって(?)、こちらもなかなか好評だった。

 今回は実際に見ることができなかったが、このように自分の脚本が「素材」になることで、自分では気が付かなかった自分の脚本の色や新たな可能性が引き出されるというのは、結構わくわくすることだし、非常に勉強にもなる。これからもいろいろな人達とこのような機会が持てるといいなと思っている。