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癒されない女

~宇治山田商業高校演劇部 2012年

2012年3月30日 津市白山総合文化センターしらさぎホール
演出:山下明日香
《CAST》
トモカ:山下明日香
ミカ:川部真穂

コメント

これまた「はりこのトラの穴」にアップされていた「癒されない女(2人バージョン)」に対して、上演許可を申請されたもの。宇治山田商業高校(通称「山商」演劇部が第21回南勢伊賀地区高等学校演劇春季大会で上演した。
 何故ここまで細かく知っているかというと、僕は当日会場に足を運び、実際の上演を見たからである。
 過去に行われたこの作品の3回の上演とは比べものにならないような大きなホールでの上演であった。しかも、演じているのは高校生。それまでは、山商演劇部は学園ものオンリーだったそうなので、これは彼女達にとって新たな挑戦だったという。勿論未熟な点は多々あったが、殆ど台詞を変えずにこの難しい作品に真正面から、そして真っ直ぐに取り組んだ姿勢は立派だと思う。
 因みに、この大会で既成の脚本を上演したのは、山商演劇部だけである。
 当日のパンフから判断すると、部員は出演者の2人だけで、照明は顧問の先生がやっているという、まさに「手作り」という感じであった。上演時間が45分もかかっているのはご愛敬である。
(FBIの上演では約30分。)
 自分の住んでいる所からこんなに離れた場所で自分の脚本が上演されているのは、それだけで感動的ではある。
 実際に演じてみての感想を、是非2人の部員に直接訊いてみたかったところである。

 なお、後日「はりこのトラの穴」に送られた顧問の先生からのフォームメールで知ったのだが、2人の部員にとっては、この作品が実質的に「最後の舞台」になるのだそうである。そう考えると、さらに感慨深いものがある。

 余談だが、当日配布された手作りのパンフの「観客の皆さんへ」という文章の冒頭に、
「明るい話が多い山商演劇部ですが、新たな挑戦として暗い話を選んでみました。」と書かれている。決して明るいとは言えないが、「暗い話」と断言されてしまうのは、些か複雑な心境である。これも、「若さ故」であろうか。