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明るい反抗

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国分高校演劇部1990年2月公演

1990年2月22日 国分高校社会科教室

演出:田中英恵

《 CAST 》
■ 藤井幸乃 : 石井文子
■ 菊川幸治 : 今井延明
■ 東野陽子 : 白井英子
■ 浅香由美 : 住田多恵
■ 工藤静子 : 中豊留三智子
■ 松田桃太郎 : 星原昭典
■ 奥野細通 : 高澤靖宏
■ 東郷英機 : 田中克弥
■治安維持部隊隊員1/声(教師1) : 神谷英稔
■ 治安維持部隊隊員2/声(教師2): 川口斉之
■ 治安維持部隊隊員3 : 西野公康

コメント

『プロメテウスの炎』以来僕はずっと演劇部のために脚本を書き下ろしてきたが、なかなか採用されなかった。この作品自体は1988年の文化祭・地区発表会向けに書いたものだったが、この時の部員の目に留まって上演されたものである。当時の演劇部は、秋の発表会の出来が芳しくなく、部活のあり方等を巡って部内の人間関係もギクシャクしていた。そのような状況を打破しようと、部員自身が‘背水の陣公演’と呼んで臨んだ舞台だった。部員の数に合わせてキャストや台詞を変えたりしたが、基本的には元の脚本の世界に真っ正面から取り組み、机を使って高さを出すなどの舞台(装置)の工夫を行ったり、部外の人間に声をかけて出演してもらったり(所謂‘助っ人’)する等、かなり力の入ったものになった。

 こうして出来上がった舞台は、ダンスや歌や漫才を取り入れた極めてパワフルかつテンポのよいものに仕上がった。また校内公演としては異例の大がかりな宣伝も功を奏して、社会科教室は超満員で立ち見も出る大盛況となった。お客さんに与えたインパクトは大きく、感動で目頭を熱くしたお客さんも出るなど評判は上々。翌日まで話題になっていたというエピソードもある。

 当時の演劇部の「何でもやってやる!」というパワーや情熱と、僕の脚本の持っている‘熱’のようなものがうまくかみ合った、荒削りでも極めて印象深い舞台である。おそらく演劇部史上に残るレベルであろう。なお、この舞台で幸乃役を演じた石井は、役に対しての拘りの強さから、七色仮面団版『明るい反抗』でも幸乃役で参加している。