12月10日・11日 Die pratze
【演出】息吹肇
【演出補】久保田圭一
【CAST】
「私の国のアリス~ Alice in my Wonderland~」の成功を受けて、ちょっぷとの合体による新劇団旗揚げのため活動を停止することになった七色仮面団の最終公演。当初は別の脚本の予定だったが、旗揚げ時に比べて役者・スタッフ両面で充実した体制がとれたことと、この4年間の僕達の到達点を確認するために、僕の原点ともいうべき旗揚げと同じ作品を選び、大幅に手直しした。1988年に初めて書いたときのイメージに極めて近い形で上演できたことは、作者の僕としては嬉しかった。今回もまた脚本が遅れて稽古は決して楽ではなかったが、演出補を付けていつもの息吹色とは別の色を出したもらうようにしたため、独特のシュールな感覚にファンタジーが混ざるという、なかなか楽しい舞台になった。
メンバーが「…アリス」からの継続組が大半だったこと、スタッフに元ちょっぷのチームがそのまま入ってくれたこともあって、これまでで最も「劇団」らしい体制で臨んだ公演だった。裏も表もプロフェッショナルな才能に支えられた、大変幸福な芝居だと思う。そんな中、高校時代、僕の処女戯曲で実質的な初舞台を踏んだ公務員の国岡が、卒業以来初めてという舞台を踏んでいるのは特筆に値する(かも知れない)。
今回は珍しく衣装替えをする役者は約1名で、楽屋は落ち着いていた。が、相変わらず舞台の上はディズニーランドの様相を呈していた。
初演の出演者で、旗揚げメンバーの渡辺が客として見に来て、「僕と菊田が冗談で作った劇団を、ここまでプロにしてくれて有り難うございます」と感無量という感じで述べていたのが印象的だった。
総じて、4年間の活動を締めくくり、新しい出発を予感させるのに相応しい、華やかで充実した舞台になったと思う。
また、これは僕の20代最後の芝居になった。