Favorite Banana Indians

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myria☆☆×Favorite Banana Indians
「UTOPIA~月は無限の色に輝く~」

2015年12月23日
六本木Club EDGE(イベント「美ケ月」参加)

美ケ月

【作・演出】息吹肇

【楽曲・演奏】

【CAST】

  • 小谷陽子(製作委員会)
  • 長谷川彩子

あらすじ

ブライダルコーディネーターの七海は、仕事にやり甲斐を感じつつも、どこか虚しさも覚えていた。
転勤が決まったことを巡って恋人とすれ違い、別れてしまう。
それから2年後、仕事帰りのクリスマスの街で、七海は見知らぬ女と出会う。女は七海が趣味で作っているクラフトアートが好きで、是非それで本を出して欲しいという。だが、七海は自分の作品を公表したことはなかった。
一体女は何者なのか…?

コメント

myria☆☆さんとのコラボ公演「True Love~愛玩人形のうた~」の準備中に、急遽決まったコラボステージである。バンド単独の普通のライブではない形態に挑戦しようとする遥川ひまりさんからのご提案だった。「episode 0」のような形ではなく、朗読とバンド演奏を絡めるという企画であった。急遽決まったことと、1日だけの公演のため、出演者は身近で声をかけられる2人となった。「episode 0」よりさらに短い尺のものという指定もあった。

朗読劇は、FBIではこれまでやったことはなく、当然ながら朗読用の脚本を書いたこともなかった。準備期間の短さもあって、かなり手探り状態で急いで作り上げることになった。例によって、まず曲が決まり、それに合わせてストーリーを作った。登場人物は女性2人というのは当初から決めていた。また、どんなコンセプトにするかひまりさんと話し合う中で、myria☆☆さんの曲(ひまりさんの詩の朗読の形式だが)の「UTOPIA」を共通項に、シリーズ物のように作っていくという方向性が固まり、その第一弾という位置付けで作られることになった。

上演時間が短いことと、朗読であるため基本的には台詞を覚える必要がないことなどから、稽古は1日のみだった。脚本の読み取り等に殆ど時間が割けなかったのは反省点である。出演者の陽子さんとあやさんは、FBIの公演に2回一緒に出演しながら、一度も台詞を交わしたことはなかったが、お互いにある程度気心が知れていたので、稽古には支障はなかった。

本番当日、リハから出番まで時間が空いたため、打ち合わせ等を会場から離れたファミレスでしていたら、時間を勘違いしていて、出番の時間に駆け込むという大失態を演じる。myria☆☆さんは、単独で演奏を始めようとしてオープニングで時間を稼いでいたところであり、本当に滑り込みで舞台に上がった。あと少し遅れていたらどうなっていたかと思うと、本当に冷や汗が出る。他の出演者は、
「ロックだな」
と言っていたそうである。
そんなハプニングをものともせずに、最後まで演じきった2人には拍手を送りたい。特に、あやさんはさすがに声の仕事をしているだけあり、朗読という形式に合っていると感じた。

この時のmyria☆☆さんはアコースティックの編成で、こちらも動きのない朗読ということで、全体として地味なステージになった。同じイベントでのコラボでも、9月の「episode 0」のようなエネルギーを出すことができず、お客様を十分に引きつけることができたとはいえなかった。それでも、朗読としてはうまくまとめることができたと思っている。規定の尺よりはやや長かったものの、小品として味わい深いものになった。
ただ、朗読というジャンルは、比較的手軽に取り組むことができる割には、なかなかに奥が深いと感じた。僕の表現したいことを伝える形態として、必ずしも相応しいとは言えないとも感じた。
この企画が今後続くかどうかは分からないが、また何らかの形でチャレンジしたいと思う。

個人的には、ひまりさんの歌声は、アコースティックだと非常に映えるということを発見したステージだった。
また、作品中に登場するクラフトアートを、ひまりさんのお知り合いの方に作成していただいた。とても素敵な作品で、ひまりさん製作のオープニング映像にも登場した。こうしたアート作品とのコラボは、「Noisy Gallery」以来であった。