ホーム>作品>私の国のアリス~ Alice in my Wonderland~
4月30日・5月1日 Die pratze
【演出】息吹肇
【CAST】
新しい人材を求めて地元の他校の演劇部出身者によって構成されていた劇団ちょっぷ(現フィーバードラゴン)の主力メンバーや、出演者の友人である声優養成学校所属の若手との共同作業を行ったのがこの芝居。エンターテインメント性の強いちょっぷの舞台を見て、この感じが欲しいと思って声をかけたのである。メンバーが大幅に変わったため、稽古場の雰囲気は一気に体育会的になった。ちょっぷの芝居が終わってからこちらの本番までおよそ3週間。当初はちょっぷのベテラン勢と若手の実力差がはっきりと現れ、おまけに例の如く台本の完成も遅れたため、決して順調な稽古ではなかったものの、そのことがかえってメンバーがお互いに刺激し合い、高め合うことを促したようだ。結果は紛れもなく成功だったといっていい。お客さんの評判も出演者の満足度もここまでよかったのは初めての経験だった。2回足を運んでくれたお客さんもいた位である。 稽古場同様舞台の雰囲気もがらりと変わり、騎士2人の掛け合いや「山手線ゲーム」に最終回のみ付いた振り等、遊びの部分がかなり充実して、「体で遊ぶ」部分と「頭で考える」部分が絶妙のバランスでマッチした見ていて楽しい舞台になった。
衣装替えの多さは相変わらずで、特にお伽噺を題材にしたこの作品では、まるでディズニーランドのような衣装がただでさえ狭い楽屋を占領することになった。主要キャストには早替えも多く、みんなで寄ってたかって着替えさせてタイムの短縮をはかったものである。
「芝居って、本来こういう風に作るべきものだったんだな」というのがやっと分かった公演だった。ベテランと若手の力ががっちりかみ合って、僕の想像を遙かに超える舞台を作り出してくれたのがこの芝居である。