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家族素描

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家族素描

1991年国分高校演劇部(春期地区発表会・6月公演)

6月14日 市川市民会館
6月28日 国分高校社会科教室

演出:星原昭典

《 CAST 》
■ 田中邦雄 : 田中英恵
■ 邦雄の父 : 中村仁美
■ 邦雄の母 : 山田真樹子
■ 邦雄の姉 : 馬場一恵
■ 教師 : 小島幸

コメント

90年の新入生歓迎公演で上演した脚本を、ほぼそのまま再演したという異例の公演。勿論部活の代替わりに伴って、キャストは邦雄役の田中を除いて初演とは異なっている。また実際の上演に際しては、部員構成の関係で父親役を男役にしたり、教師を女にするという変更が行われた。舞台の完成度の面では、駆け足で作らざるを得なかった筈の初演の方が勝っていたというのが正直な感想である。キャストが全員女だったり、経験の浅い1年生を主軸に据えざるを得なかったというのが主な原因だろう。また、部活として、トータルな面での劇作りの力量が低下しているということを露呈する結果になったと思う。地区発表会上演時のみ、現役部員(おそらく演出)によってラスト近くの台詞が変更され、邦雄の家族が大喧嘩するシーンが挿入されていたが、芝居(脚本)全体の雰囲気からは明らかに浮き上がっていたのが、そのことを象徴している

 唯一初演時と同じ役を演じた田中が、その独特の存在感で一人気を吐いた。また、豪快な演技が持ち味(?)の小島が、男から女に変わった教師を違和感なく演じていたのも目を引いた。

 この舞台を見て、やはり僕の脚本(劇的世界)は高校生が表現するには難しいということを、改めて認識させられたのだった。