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Sweet Dreams

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第1回 Sweet Dreams ~ただ一度の真白き日常のために~

1998年8月3日・4日 銀座小劇場(マイラーズシアター12参加)

【 演 出 】息吹肇
【 演出補 】伊地知ナナコ
【 CAST 】
■ 女1(ミサキとよばれる女):KUMI
■ 女2(サラとよばれる女):宮島紘子
■ 男:新井哲

あらすじ

テレビの製作会社に勤務するミサキが彼氏の浮気相手の部屋に踏み込むと、そこには高校時代の同級生・サラがいた。彼の婚約者であり、彼の子供を身籠もっているというサラを相手に恋の鞘当てを演じたミサキだったが、結局彼がどちらも選ばないと知り、二人の間には奇妙な連帯感が生まれる。と、ここまでが戦争に巻き込まれた近未来のある国の劇場で、幕開きを待つ大部屋女優2人によって演じられたエチュードだった。しかしこの2人、女優とは仮の姿で…

コメント

劇団フィーバードラゴン旗揚げ公演参加後に同劇団を退団してから、自分にとって演劇とは何かを考える日々が続いた。そしてその答えを出すべく、気心の知れた七色仮面団初期の仲間に声をかけ、数年ぶりに新ユニットを立ち上げて行った、再生に向けての記念すべき第1回公演。劇場主催の2本立て公演のうちの1本として上演した。1から一緒に作っていたメンバーのうちの1人が出演できなくなり、急遽早稲田大学の劇団サッカリンサーカスの役者陣の応援を得ることになった。
 何と稽古初日に脚本が出来上がっているという、史上初の快挙を成し遂げる(製作方法を変えたことが大きい。詳しくは作品紹介の項を参照)。1時間の小品ながらほぼ全編を役者2人で見せるというこれまでにない試みで、しかも設定では高校時代の仲のよい友人同志を、全く初顔合わせの役者2人が演じることになった。稽古期間が正味1ヶ月しかないこともあって一時はどうなることかと思ったが、稽古が進むうちにみんな打ち解け、結果的には「2人の息がぴったり」とアンケートに書かれるまでになった。その2人は舞台に上がると殆ど休みなしで喋りっぱなし。本当に酸欠状態になりながら頑張った。勿論サッカリン期待の若手(当時?)男優・新井君もワンシーンではあったがかなり濃密な稽古の成果を本番で見せ、舞台を締めてくれた。今までやったことのないタイプの芝居だったことと、よその劇団(相手劇団+サッカリン)のお客さんが大部分だったことが重なって、評価はいろいろ別れたが、やることはやったと胸を張って言える芝居である。
 セットが一切組めず、視覚に訴えるものが舞台上に乏しいので、それならばと衣装・小道具はポップなものでまとめることにした。特に小道具はその殆どを100円ショップで調達し、見た目は勿論経費の節減にも大きく貢献する。
 劇場側スタッフを除けば10人に満たない人数での劇作りは七色仮面団旗揚げ公演以来のことで、その意味では原点に戻ったといえるかも知れない。今後、このユニットからどんな芝居が生み出されることになるのか、なかなか楽しみではある。