Favorite Banana Indians

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Favorite Banana Indians×myria☆☆
True Love -episode 0-

2015年9月6日
六本木Club EDGE (イベント「美ヶ月」参加)


 

【作・演出】息吹肇

【楽曲・演奏】

【CAST】

  • 椎名恭子(アミティープロモーション)
  • 西村守正
  • 桔川結有(アミティープロモーション)

あらすじ

 人工知能研究の第一人者・鮎川哲郎は、偶然行ったライブで、シンガーソングライター・篠原麗の曲と歌声に惹かれ、麗と交流を始める。麗も、自分の音楽世界を理解し、受け入れてくれる哲郎に、徐々に心を開いていく。
 同じ頃、哲郎が所属する国立人造人間研究所のプロジェクトに、プログラマーの八神愛理が別の会社から派遣されてくる。仕事でミスをしてしまった愛理に、哲郎は優しい言葉をかける。それがきっかけで、愛理は哲郎を意識し、惹かれていく。
 麗は婚約が破談になり、落ち込んでいたが、哲郎の言葉に励まされ、新しい曲を作り、哲郎に聞かせようとする。哲郎は、自分の気持ちを麗に伝えようと決意するが、その直前に、麗は事故死する。愛理は哲郎を映画や食事に誘うが、結局自分の気持ちは告げられないまま、仕事の終了で研究所を去る。
そして、哲郎は、麗の存在を人工知能の力で再現しようと研究・開発を重ね、ついに、麗そっくりの護身用アンドロイド「i」を完成させる。


コメント

 2015年11月に上演される番外公演vol.7「True Love~愛玩人形のうた~」の物語の過去を描いた短編である。これは、「True Love」でコラボするmyria☆☆の遥川ひまりさんの提案で、急遽上演が決まった。ひまりさん主催のイベント「美ヶ月」で、11月の公演の宣伝をしておきたいということで、それならば、11月に繋がるような内容を芝居とバンド演奏のコラボの形式でやろうという話になった。「episode 0」というタイトルもひまりさんの発案である。
 既に書いた脚本の前のエピソードを作るというのは初めての経験であったが、なかなか面白かったし、改めて本編の脚本を見直し、いろいろな発見や修正点を見つけることができた。myria☆☆さんの演奏と芝居部分でトータル40分以内という条件だったが、結果的には5分オーバーした。が、短い割には充実したものになったと思う。また、冒頭に流れた動画は、ひまりさんの制作であった。ひまりさんは告知動画も制作してくださった。
 キャストは、既に本編出演者として決定していた人に、本編と同じ役でお願いした。(麗役は、勿論「i」役のキャストである。)稽古は1日しかなく、シーン数は少ないが台詞は結構多かったため、3人とも苦労していた。しかし、本編の稽古の前に顔合わせを兼ねてこういう舞台ができたのは、この後に繋がっていくいい機会になったと思う。本番では全員が今できる最高のものを出してくれた。アクティングエリアが極端に狭く、客席に対して横向きになっていたので、どこまで伝わるかと思っていたが、3人でちゃんと物語の世界を作りだしていた。準備期間が短かったのに、さすがだと思った。
 初めてmyria☆☆さんの楽曲と「True Love」の物語世界が出会ったステージになったが、両者がしっかりと噛み合い、融合して、素晴らしい「作品」になった。これは11月の本編に向けていい材料であった。お客様もかなり真剣に見てくれていた。そのお陰で、本編に興味を持ってくれたり、その場で「見に行く」と言ってくれたりする人もいた。初期の目的を達したわけだが、それだけインパクトがあったということだろう。
 「episode 0」はライブイベントの中で行われたこともあり、演奏部分の比重が高いものだったが、予想以上に好評で、初めてコラボを見た人には新鮮だと受け取られた。小品でありながら印象深く、本編に確実に繋げることができるものになった。その意味でも、忘れられないステージである。

 なお、作品とは関係ないが、「美ヶ月」の中の「恋のから騒ぎ」というトークのコーナーに急に参加することになった愛理役の桔川さんが、いつの間にかセンターでMCのように場を仕切ってしまうという事態が起きた。お陰で盛り上がったのだが、本人も味をしめたようである。今後の彼女の活動のひとつの方向性になっていくかも知れない。また、麗役の椎名さんの「純潔」ぶりも暴露された。なかなか楽しいイベントであった。

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